PINK 2

 ……ピンクの相手は、自分しか知らないと思っているのかもしれない。
 松見の汗、松見の吐息、甘い呻き声、しなる筋肉と、熱く破裂しそうなペニス。

 ばーか。

 俺は意地悪い思いで笑って、意図的に中にいる松見を締め付けた。
「……っ、……ない、と……っ、あんま、締めるな…」
 松見は切なげに眉を寄せて、俺のペニスを俺の手の上から握った。
 そして、勢いをつけて扱き始める。
「ん、んん……っ、ふ…っ」
 分かりやすい刺激に体が震える。
 俺が達する直前で手を止め、また勢いをつけて打ち込まれる、松見の腰。
 内臓をかき回し、中にある性感帯を絶えず刺激し続ける、松見の雄。

 俺だって、知っている。
 

 俺を抱く理由を、松見に聞けない。
 あの朝、松見が言った、「スゴイ良かった」からだけなのかもしれない。
 男同士なら、後腐れも無いし、面倒でも無いからだと思っているのかもしれない。
 松見に誘われ、ベッドで共に時間を過ごす以外は以前と全く変わりなく、俺達は仲の良い同僚だ。
 ぐちょぐちょと恥ずかしい音を立てているのが、後ろにたっぷりと塗られたローションなのか、俺の前から溢れた先走りなのかも分からないけど。
 松見に突き上げられながら、切なさに首を振ると、床の上に転がるピンクのプラスチック容器が視界に入った。
 散々使われ、中身がだいぶ減ったラブローション。
 あの中身は、俺が松見を受け入れるために使われたものだ。

 あれを、ピンクの歯ブラシが見つければいいのに。
 ピンクつながりで丁度いいじゃないか。

 そうして、松見を問い詰めればいい。
 あれは何なのか、って。

 そうしたら、松見は何て答えるのだろうか。

 どろどろした粘着質の液体。
 容器だけでなく、中身も淡いピンク色をしていて、松見は初めてそれを見た時にいかにも可笑しそうに笑った。
 笑いながら、それを俺の後ろに塗りこんだ。
 俺は後ろの穴をべとべとにして、松見を受け入れ、そして頭のどこかで俺の知らない松見を探そうとする。

 肉のぶつかり合う音。
 その合間に立つひそやかなローションの音。
 
 肌に乗った液体は透明になって、よく滑り、俺たちを更に性感だけの生き物へ変えようとする。

 薄いゴムの向こうで、松見が体液を放つのを感じて、俺は体を震わせながら松見を見上げた。
 
 
 頂点に達した松見が、ゆっくりと降りてくる。
 松見にすがり付くように、受け止めるように両手を伸ばす。

 触れるだけの口付けを受け止めて、俺は余計な思考をシャットダウンした。

Fin

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