「妙な色気振りまいてるんじゃねぇよ」
「…り、まいて……な、」
痛い。
一番敏感な場所から這い上がる痛み。
でも、それはすぐにジンジンしてきて。
……アツイ。
「ツカサ」
俺の名を呼びながら、弘樹は俺の前から手を離して、その下の陰嚢を包み込んだ。
「お前を野放しにすると、ロクな事にならないからな。……店には、もう出なくていい」
弘樹の指は優しくそこを撫でて、俺は必死に襲い来る射精感を耐えた。
「……え、なに…何、で…?」
そこじゃない。もっと、直接的な刺激が欲しい。
あと少しでイけそうで、でも、それにはまだ足りなくて。
もどかしくて、腰が勝手に動く。
「ボニータにはもう行かなくていい。お前はいらない面倒を起こすから」
「――っ、あ、ひゃぁ……っ」
返事は嬌声にかき消された。
俺の返答など、最初からいらない、とでもいうような。
言葉を塞ぐ、愛撫。
俺自身を大きな手が包み込んで、下から上へと扱き上げる。
爆発しそう。
思考を、奪っていく。
「…や、やぁっ、もう……で、出るッ…」
自分でも恥ずかしくなるくらいに甘ったれた声が出て、俺は弘樹の首筋にしがみついた。
どうして、こうも気持ちがいいんだろう。
弘樹のくれる愛撫は。
「出せよ。俺の目の前で出してみせろ」
意地悪な弘樹の言葉。
扱く手の動きが早くなって、ついに耐え切れなくなって、俺の腰がびくん、と跳ねた。
それとほぼ同時に、弘樹の手の中が凄く熱くなって。
精液を放った瞬間、宙に放り投げられたかのような、快感。
「……ぁ、…はぁ……」
自分の全部を弘樹に預けて、俺は荒い呼吸を繰り返した。
手足の先端が痺れている。
自分でするのよりも、数段キモチイイ弘樹の手。
……たまんない。
「ホント、淫乱なガキだよ、お前は。どうすんだ、これ」
弘樹が低く笑った。
俺の精液で濡れた手を、俺に見せる。
俺はぼんやりとしたまま、重たい腕を持ち上げて弘樹の手を掴んだ。
そのまま口元に寄せる。
舌を出して、指先に這わせた。
ピチャ、という音。
自分の体から放たれた精液は、青臭くて苦くて……凄く不味いけど、不思議な事にそれが弘樹の手についているというだけで、嫌悪感が消える。
自分のものを舐めている、なんて。
……凄く、屈辱的ではあるんだけど。
……でも。
ピチャピチャと音を立てて、俺は丁寧に弘樹の指に舌を這わせた。
目を閉じて、それだけに集中する。
……凄く、興奮する。
「ツカサ、お前さっきので、まだ満足してないのか?」
弘樹がしのび笑いを漏らした。
……分かってる。
さっき射精したばかりの自分のものは、萎えもせずにまた大きくなっていた。
「もっと、してやろうか?」
甘い蜜みたいな弘樹の言葉。
俺は瞼を上げて、弘樹を見上げた。
「淫乱なお前は、手コキくらいじゃ全然足りないもんな?」
俺は弘樹の言葉にうっとりしながら頷いた。
ちゅぱ、と指を根元まで銜えて、それから顔を遠ざけるようにして離す。
「……して。して、弘樹……もっと、欲しい」
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