Silent Lover

Silent Lover

Side 翔

和樹と初めて寝たのは中学2年のとき。
お互いに性に対して好奇心だらけで、いろいろ知りたかったし、経験したかった。
毛が生え始めたアソコをお互いに見せ合って、そのまま扱きあいに変わり、いつのまにか俺が和樹の下になってた。

和樹は斜め向かいの家に住む幼馴染で、幼稚園から小学校、習字や英会話、スイミングの習い事、中学の部活まで全部一緒だった。
一緒にいるのが当たり前で、なんでも一緒にするのも当たり前だった。
お互いに知らないことなんてないし、全部打ち明けあってた。
一つだけ不満があるとすれば、中学に入ったころから背が伸びだした和樹は、女の子に人気が出てきてたってことだったけど。和樹の部屋のベッドの上で、和樹に抱きしめられて、揺さぶられながら、女の子に人気がある理由の一端がちょっとだけわかって、納得した。
さんざん見慣れていたはずの、間近で見る和樹の顔がやたら整っていることとか、俺に突っ込んで腰を振りながらも、俺のことを気遣ってくれる優しいところとか。
なにより、余裕が無いカオとか。

俺は、和樹のことを知っているようで、全然知らなかったんだってことに気づいた。

それから、和樹を見てワーワー言ってる女の子たちに対して、ちょっと優越感を覚えた。
和樹のを受け入れてるソコは痛いし、思いっきり足開いてるから股関節も痛いし、でも俺は俺の上で熱っぽい目をする和樹から視線を逸らすことができなかった。

和樹は全体的に俺より少し成績が良くて、でも数学だけは俺のほうがテストの点数が上だった。和樹は俺に英語と理科を教え、俺が和樹に数学を教えた。
二人で並んで勉強をして、高校も自転車で行ける近くのところを一緒に受験した。高校に入って、和樹はさらに女の子たちにモテて、何人かの彼女を作ったり別れたりした。
俺は女の子と話すのが苦手で、けどたまに和樹の部屋へ行くと、和樹とした。彼女はいないけど、それでいいような気がしていた。彼女が欲しいとは思わなかったし、和樹以外のヤツとキスしたりしている自分が想像できなかった。

17歳になった和樹は、誰から見ても圧倒的にかっこよくて、そしてつかみどころがなかった。

はあ、はあ、と熱の籠った息が二人分。8畳の和樹の部屋に満ちている。
心なしか温度と湿度が上がった部屋の空気は熱く肌に纏わりつき、俺は涼しさを求めるように湿ったシーツの上で身じろぎした。
まだ、後ろがジンジンする。
隣で脱力していた和樹は、いつものように最後に軽く俺の髪を撫でるとベッドの上に身を起こして、使用済みになったゴムを外し、ティッシュに包んでゴミ箱に放り投げた。
こちらに背中を向けたままでそれらをする和樹の背中は、しっかりとした筋肉がついていて、後姿だけでかなり色気がある。
長めの襟足の髪が汗で首筋に張り付いていて、俺はそれに指を伸ばしたいと思いながらも動くのが億劫だった。

だいたい最近の和樹はやたらしつこくて、なかなか俺をいかせてくれない。何回も俺のナカを突いて、いいところにあたるから俺が堪らなくなって、散々ねだらないと前に触ってくれない。その間ずっと喘がせ続けられてるから、最後は疲れ切って声も出ない。

喉が渇いて水が飲みたかったけど、起き上がるのも面倒だった。
シーツの上で和樹の背中を眺めながら「喉が渇いたー」と心の中で訴える。俺と和樹は、和樹がここに引っ越してきた4歳のときからの付き合いだ。あんまりにも付き合いが長いから、テレパシーが使えるようになったのかもしれない。
俺のココロの声が聞こえたのかもしれない和樹がふとベッドから立ち上がると、放りっぱなしにしていた鞄をさぐり、飲みかけのウーロン茶のペットボトルを差し出してきた。
「ん」
飲む、とか飲みかけでごめん、とか。
そういう言葉は俺たちには不要で、俺は黙ってそれを受け取り、横になったままでフタを開けようとした。
和樹は横目でそれを見て、それから少し口元を緩ませると俺の手からペットボトルを取り上げ、蓋を外した。
そのままボトルを渡してくれるのかと思ったら、自分の口に含んで、俺の上に覆いかぶさってきた。薄くくちびるを開くと、和樹の舌と一緒に苦みのあるお茶が喉に流れ込んでくる。
何で和樹が最近こういうことをしたがるのかさっぱり分からないけど、お茶を受け渡した後も俺の口から出て行かない舌に自分の舌を絡ませながら、「この体温は気持ちがいいな」と思っていた。

指を伸ばして和樹の頬に触れると、和樹がくぐもったを漏らして、俺の手に少しだけ顔を寄せた。
まるでネコみたいだ。
和樹の頬から手を滑らせ、うなじに触れる。
さっきベッドの上から見上げた、汗で張り付いた髪に、俺はようやく触れることができて、和樹とキスをしながら、深い満足感を覚えた。

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